オンラインゲームでは、世界中のプレイヤーが集まり、協力や対戦を楽しんでいます。
その中で「挨拶」が重要視される場面も多いです。
たとえば、ギルドやチームにログインした際に「こんにちは」や「よろしくお願いします」。
これらは、礼儀として広く受け入れられています。
しかし、全てのプレイヤーにとって、挨拶が本当に必要なのでしょうか?
最近だと、チーム加入前の決まりごとの説明段階で「挨拶必須」、
といった内部のルールが定められていることもあります。
この記事では、オンラインゲームにおける挨拶の強要がもたらす影響について、
現実でも起こりがちな印象の違いも含めて考えてみたいと思います。
挨拶のメリット
挨拶を交わすことは、ゲーム内でのコミュニケーションを円滑にし、
プレイヤー同士の信頼感を高めます。
たとえば、ギルドやチームにログインした際に「こんにちは」と声をかけることで、
メンバー全体が会話を始めやすくなり、コミュニケーションが盛んになるメリットが考えられます。
また、マナーとしての価値も無視できません。
特に長期間同じメンバーとプレイする場合は猶更です。
挨拶を通じてお互いの存在を確認し合うことが、
良好な関係を築く基盤になります。
挨拶を強要するデメリット
一方で、挨拶の強制はデメリットを生じさせる可能性も含んでいます。
たとえば、あるプレイヤーがゲームに慣れていない初心者だった場合、
ログインした瞬間に挨拶を求められると、なんとなくプレッシャーを感じることがあります。
プレイヤーによっては「これ毎回やるの疲れるなあ…」と思ってしまうかもしれません。
また、場合によっては言語の違いや文化の違いも考慮しなければなりません。
世界と繋がるオンライン故に、必ずしもチームに自国のメンバーのみ在籍しているとは限らないからです。
さらに、挨拶をしないプレイヤーに対して攻撃的な態度を取る人もいます。
これが原因で、コミュニティ内の雰囲気が悪化することもあるのです。
ここで挨拶を強要した場合の、具体的な会話例(ゲーム内チャットを想像してください)を見てみましょう。
※あくまで例です。筆者が見聞きした情報に基づいています。
プレイヤーA: 「こんにちは!」
プレイヤーB: 「こんにちはー」
プレイヤーC: 「…」
プレイヤーA: 「Cさん、加入時に説明したけど挨拶返すのは必須ね。」
プレイヤーC: 「すみません忘れてました…次から気をつけます。」
プレイヤーA: 「挨拶は現実でも基本だよね?気をつけてねー。」
…どうでしょう?
なんだか良くない空気を感じませんか?
上記の会話は雰囲気の悪さを実感して貰うために、
やや露骨な構成にしましたが、実際に似たような会話を目にした事はあります。
この場合、Aが挨拶は現実世界での基本事項だと強調したことで、更に悪い方向に拍車をかけている形です。
このせいで今後Cはチーム内での居心地が非常に悪くなったかもしれません。
Aの言い方にも注目してみましょう。
一見すると、正しく指摘をしています。
しかし見方によってはAがただ冷たくCに指摘したようにも見えます。
「前もって説明してたんだから、Cが忘れていたのが悪い」と思う方も居れば、
「Aの言い分は正しいけど、言い方は選ぶべき」と思う方もいるでしょう。
見解は大いに分かれると思いますが、
挨拶を強要することで、かえってプレイヤー間の関係が悪化する場合が考えられます。
チーム加入前の「面談」での挨拶必須ルール
最近では、チームやギルドに加入する前に、
プレイヤー同士が「面談※」を行うことがあります。
※ゲーム内のキャラクター同士が顔を合わせるということ
この面談では、チームのルールやコミュニケーションの方針が主に話し合われます。
その中で、「挨拶必須」といったルールが設定されることも珍しくありません。
こうしたルールは、チームの一体感や連携を強化するために役立つことが多いですが、
一方で新しいプレイヤーにとってはプレッシャーになることもあります。
挨拶を重視しない文化圏のプレイヤーや、オンラインゲームのマナーにまだ慣れていない初心者にとって、
このようなルールはストレスの原因となる可能性があります。
年齢差による挨拶に対する印象の違い
現実世界では、年齢差によって挨拶に対する捉え方が異なることが多く、
この影響はオンラインゲーム内でもそれなりに見られます。
たとえば、年配のプレイヤーは、若いプレイヤーに対して挨拶を重要視する傾向※があります。
※年配のプレイヤー全員が該当するわけではありません。
これは、社会経験の中で培われた、
「年下は年上を敬うのが当然」という考え方が影響しているからと思われます。
一方、若い世代のプレイヤーは、オンライン上での挨拶に対してそれほど重要視しない※ことがあります。
全く挨拶しない訳ではないにしても強制されるのは嫌、といった感じ。
※こちらもあくまで傾向です。
「何故ゲームでも現実のように挨拶挨拶とうるさく言われなきゃいけないのか?」
「年功序列はここにも存在するのか?」と。
またゲーム内で現実の年齢を公開していなくとも、
趣味や何気ないチャットから、年齢の範囲をある程度絞れてしまうことがあるので注意。恐ろしいですねえ…
このような年齢差による価値観の違いが、時にゲーム内でのコミュニケーションに影響を与え、
場合によってはトラブルの原因となることもあります。
挨拶をしないことの是非
挨拶をしないプレイヤーには、いくつかの理由が考えられます。
例えば、忙しい日常の合間にゲームを楽しんでいるプレイヤーは、
時間を節約するために挨拶を省略することがあります。
また、シャイな性格や、言語の壁を感じている人もいるでしょう。
具体例を挙げると、あるプレイヤーが仕事の合間に短い休憩時間を使ってゲームを楽しむ場合、
余計なやり取りを避けてゲームに集中したいと考えることがあります。
このようなプレイヤーにとって、
ログイン時に挨拶を求められることは逆に負担になるかもしれません。
さらに、文化的な違いも挨拶をしない理由として挙げられます。
たとえば、ある国では、オンラインの場で挨拶をすることがそれほど重要視されない場合があります。
こうした背景を理解せずに、挨拶を強制することは、
プレイヤーの自由な楽しみ方を妨げることになります。
プレイヤーA: 「こんにちは!」
プレイヤーB: 「こんちわー」
プレイヤーC: 「…(流れで自分も挨拶したほうがいいのかな…?)」
プレイヤーA: 「B、昨日のクエストの続きやるー?」
プレイヤーB: 「いくー」
プレイヤーC: 「…(ホッ…各自ですればいいのね)」
挨拶の強要が無いと、このようにごく自然な会話が継続される事が多いです(以降会話が無いこともありますが)。
強要があった時の会話例でAがしたような威圧的な挨拶への指摘も無く、
Cが迫害されるような状態にはなりません。
本来したい会話を「挨拶」に縛られずにでき、
かつ挨拶をするもしないも自由というのは、挨拶を強要しないことの利点です。
このように、挨拶を強要しないことで、プレイヤーがリラックスしてゲームを楽しめる環境が作られます。
バランスを取るための提案
挨拶を自然に促しつつ、強要しないためにはどうすれば良いでしょうか?
一つの方法として、ゲーム内でのルールやガイドラインに、
「挨拶は推奨するが強制ではない」と明記することが考えられます。
また、ゲーム開始時に自動的に「こんにちは」等の挨拶を表示する機能を導入するのも一案です。
これにより、プレイヤーが手を動かすことなく挨拶を行える環境が整います。
ただし挨拶を機械的にすることが正しいかどうかは、
また別の問題(心がこもってないなど)が生まれるかもしれません。
もう一つ具体例として、あるオンラインゲームでは、ギルドやチームにログインした際、
自動的に「〇〇さんがログインしました」といったメッセージが表示されるシステムがあります。
これにより、挨拶をしなくても自然にログインを認識できる仕組みが構築されています。
挨拶=ログイン確認として扱うならば、有効な方法と言えます。
まとめ:ゲーム内だからこそ「何のための挨拶か」を考えて正しく使う
さてここまで色々と「挨拶強要」について見解を述べましたが、
個人的には挨拶は強要されるべきではないものだと思います。
その理由としては「ルール」で挨拶必須と定めた場合、ただの言葉による使命になってしまい、
挨拶本来の意味である「礼儀」としての意味が失われる、もしくは軽薄になる恐れがあるからです。
無論、普段挨拶をする時そこまで重い感情を抱かないとは思いますが、
やはり「ルール」化するというのはゲームに限らず何か違う…そんな気がします。
「するべき」「してはいけない」で決めていいものではなく、
然るべきタイミングで自身の判断で行う…それが「挨拶」のあるべき姿では無いのかなと思いました。
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