パソコンのCPUに塗布することで冷却効果と熱伝導性を向上させてくれる「CPUグリス」のおすすめ製品を実際に使用してみて良かったと思うものを厳選して紹介します。
CPUグリスの種類、グリスの選び方なども解説していきますので、
PCを組む予定がある、そろそろグリスを塗り替えようと思っている方は参考にしてみてください。
CPUグリスの種類
グリスには主に3つの種類がありそれぞれ特徴や性能が異なります。
まずはその種類を抑えておきましょう。
シリコングリス
シリコンを配合し安価かつ汎用性が高く平均的な冷却性能と熱伝導性を持つのがシリコングリス。
塗りやすさ、耐寒、耐熱性に優れPC初心者でも使いやすいのが特徴です。
標準的なスペックのPCで時折ネットサーフィンやエクセル、ワード、メールといった使い方が主であればシリコングラスで十分補えます。
3種の中では性能が最も控えめであるため、ハイスペックPCで高負荷作業がメインという方は後述するシルバーグリス、ダイヤモンドグリスの使用を推奨します。
シルバーグリス
素材に銀を含んでいるため熱伝導性の高さに定評があるのがシルバーグリス。
シリコングリスより一段上のレベルのグリスで高負荷作業下でも性能を発揮してくれます。
PCで毎日仕事をする、動画視聴や低負荷のゲームをするという方におすすめです。
標準~ミドルスペックPCでの利用に向きますがPCの使用頻度によってはハイスペックでも問題ありません。
3種の中で中間の性能より少し上といった感じで基本的にどのスペックのPCでも効果が期待できます。
迷ったらとりあえずシルバーグリスを選んでおけば安心です。
ダイヤモンドグリス
ダイヤモンドを素材として用いており最高峰の熱伝導性、冷却性能を備えているダイヤモンドグリス。
粘度が高く長持ちし高負荷作業時の発熱にも対応できます。
その特徴からダイヤモンドグリスはオンラインゲームや3DCG制作などで採用されやすいゲーミングPCやクリエイター向けPCのようなハイエンドクラスのPCでよく使われています。
価格が他2つと比較して高くなりがちですが性能はその分お墨付きで、負荷の大きなPCを長期間利用する方にとってはほぼ必需品といっても過言ではありません。
CPUグリスの選び方
続いてグリスを選ぶ上で意識していきたいポイントを解説していきます。
PCの使い方とスペックに合わせて選ぶ
CPUグリスを選ぶ際に自身のPCのスペックを見るのも大事ですが、まずはPCを何に使うかチェックしてくところから始めてみましょう。
短時間の動画鑑賞(YouTubeなど)、文書作成、ネット閲覧程度であれば発熱量が少ないため高性能なCPUであったとしてもシリコングリスで十分なことが多いです。
PCゲーム等の高負荷作業がメインである場合はCPUの温度が70度近くまで上昇する場合があるためシルバーグリスやダイヤモンドグリスを検討しましょう。
塗りやすさで選ぶ
CPUへの塗りやすさ(柔らかさ)は
シリコン>シルバー>ダイヤモンド
の順で基本的に最も塗りやすい(柔らかい)のはシリコングリスです。
ダイヤモンドグリスは塗る時に少し硬いので一度温めて柔らかくしてから塗るなど正確に塗るには少々コツが必要な場合があります。
グリスはCPU表面に均等に広がるように塗布しなければ十分な性能を発揮できないため慣れないうちは塗りやすいシリコン、シルバーグリスから始めるのがおすすめです。
CPUグリスに不慣れなうちは絶縁性がおすすめ
グリスには導電性と絶縁性の2つがあり、導電性は塗布した際にグリスがCPUから万が一はみ出してしまうとPCがショートする恐れがあります。
それに対して絶縁性ははみ出してもショートする事が無いため大切なPCを傷付けずに済みます。
そのためCPUグリスを塗り慣れていない、初めてCPUグリスを扱うという方は絶縁性を推奨します。
CPUグリスおすすめ3選
アイネックス シルバーグリス
配合素材 | 内容量 | 熱伝導率 |
---|---|---|
シルバ― | 3.5g | 9.0W/m・K |
純度99%の純銀を含んでいる高品質なアイネックスシルバーグリス。
シルバーにしてはやや粘度が高いので塗り広げるよりも中央にグリスを適量落として押し広げるほうが向いていそうです。絶縁性なのではみ出てしまっても大丈夫なのも嬉しい点ですね。
製品説明には全負荷時に3℃~12℃温度を下げるようで検証したところ最大で8℃の低下が見込めたので謳い文句に偽り無し。
グリス初心者でひとまず安定した性能のCPUグリスから使い始めたい方におすすめです。
アイネックス ナノダイヤモンドグリス
配合素材 | 内容量 | 熱伝導率 |
---|---|---|
ナノダイヤモンド、シリコン | 3g | 16W/m・K |
ダイヤモンドグリスの中ではコスパが良く長期の使用でも安定しているアイネックスナノダイヤモンドグリス。
熱伝導率が非常に高いのでオーバクロックを行うようなハイエンドPCにおいてもパフォーマンスを維持しつつ冷却もしっかり行ってくれるため継続的な高負荷にも強いです。
塗布する際の硬さはダイヤモンドの中ではやや柔らかめといった感じでシルバーグリスに近づいた塗り心地。
グリスを使うのは初めてだけどダイヤモンドグリスを使ってPCを確実に保護したいという方には強くおすすめしたい一品です。
Thermal Grizzly Kryonaut
配合素材 | 内容量 | 熱伝導率 |
---|---|---|
ナノアルミニウム、酸化亜鉛 | 1g | 12.5W/m・K |
PC界隈では「熊グリス」でお馴染みのThermal Grizzly製の中でも常時のオーバークロックに特化した絶縁性「Kryonaut」モデル。
シリコングリスのような塗りやすさとダイヤモンドグリスのような高い熱伝導性と冷却性能を併せ持ちかつ乾燥しにくい素材を配合しているため総じて高性能なマシンを最大限のパフォーマンスで使い続けることを前提にしています。
メディアでも多く取り上げられオーバークロッカ―から高評価を得ているグリスで非常に人気が高いです。
まとめ
CPUグリスはPCの心臓部であるCPUを間近で保護する重要な存在であるためなるべく妥協せずに自身のPCに合う製品を使いたいものですよね。
最近では塗るタイプ以外にもCPU冷却シートといった塗らずにシートを置くだけでOKという製品も出てきているので選択肢が広がっています。
今後長く大切にPCを使っていくためにもCPU周りには気を遣っていきましょう!
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