スマホやパソコンをインターネットに接続する時に必要な「IPアドレス」。
「インターネット上の住所地」と例えられる存在です。
このIPアドレスには「動的IPアドレス(DHCP)」と「静的IPアドレス」の2種類が存在します。
この二つを簡単に説明すると、
となっており、IPアドレスの割り当て方に明確な違いがあります。
当記事ではそんな動的IPアドレスと静的IPアドレスそれぞれの割り振り方の特徴、メリットデメリットについて解説していきます。
動的IPアドレス(DHCP)とは?
動的IPアドレスとは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)という仕組みを用いた、DHCPサーバーから自動的にデバイスに割り振られるIPアドレスのことです。
この時割り振られるIPアドレスは固定されたものではない一時的なもので、割り振られて一定期間が経過する、もしくはデバイスの再接続を行うとIPアドレスが変化します。
動的IPアドレスのメリットとデメリット
動的IPアドレスのデメリット
IPアドレスが変動するということは、それを参照することが困難ということでもあります。
例えば自宅のネットワーク上にあるパソコンに自宅外のデバイスからリモートアクセスをしようとした場合、定まった一つのIPアドレスを参照できないためアクセスを行うことができません。
またDHCPサーバーを経由して割り振られているため、そのサーバー自体に不具合が起こったり攻撃を受けた場合に通信が行えなくなるデメリットも潜んでいます。
動的IPアドレスのメリット
デメリットで説明したIPアドレスが一定でないため外部からのアクセスができない、というのは裏を返せばIPアドレスを特定されにくいということです。
これは不正アクセス等のリスクを減らし、デバイスを保護することに繋がります。
難しい設定を行う必要が無く動的IPアドレスを使う設定さえしておけば、ネットワークに接続することができる簡単さもメリットの一つと言えるでしょう。
静的IPアドレスとは?
静的IPアドレスとは、デバイスの利用者が手動で設定を行う固定された数値のIPアドレスのことです。
動的と異なりデバイスの再接続を行っても変化することが無く、常に一定のIPアドレスを割り当てる事ができます。
静的IPアドレスのメリットとデメリット
静的IPアドレスのデメリット
静的IPアドレスは一つに固定されているが故に、そのIPアドレスさえわかれば利用者以外からもアクセスを許すため、サイバー攻撃などのリスクが増加します。
特定が疑われた場合はDHCPほどの頻度ではないにせよ、不定期にIPアドレスを変更するなど何かしらの対策が必要です。
もう一つのデメリットとしてデバイスに振り分けたIPアドレスを、利用者が全て覚えておく必要があるということが挙げられます。
動的IPアドレスでは自動で設定を行っていたものを全て手動で行うため、人為的なエラーによる接続障害に見舞われる可能性は高まります。
これらの理由から十分な知識がないままとりあえず手動の設定にしよう…というのはおすすめできません。
静的IPアドレスのメリット
自宅など社外に居るタイミングで社内のデータが必要となった際に、外部から社内のファイルサーバー等に、固定されたIPアドレスを参照してアクセス可能になるため、データのやり取りを遠方に居ながらスムーズに行うことが可能です。
これを利用することで社内のファイルを扱うテレワークなども難なく実施することができます。
あとは以下のような静的IPアドレスを用いる機器へのアクセスができるのも利点です。
防犯カメラやペットカメラなどが代表的で、外出先から静的IPアドレスを辿る事で家の様子やペットの状態なんかを容易に確認することができます。
まとめ:動的IPアドレスと静的IPアドレスどちらを使ったら良い?
特別な理由が無い限りは動的IPアドレスの使用をおすすめします。
理由としては先にお話しした通り、静的IPアドレスは十分な理解が無いまま使うと設定や管理にやや手間がかかり、利用者自ら通信障害を引き起こしてしまうことも考えられるからです。
ネットワークは結局のところ安定して繋がらなければ意味が無いため、リスクを理解しつつどうしても静的IPアドレスでなくてはならない、という場面でもなければ動的IPアドレスでの運用を考えてみましょう。
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