2024年7月3日、OldTweetDeck（以降OTD）3.6.5がリリースされました。
今回は取り急ぎでの改修だったようで、これまでと比較すると更新点は少なめです。
当記事では改修された箇所の情報、開発者からの重要なメッセージをまとめていきます。
OldTweetDeck3.6.5の改修点
早速ですが3.6.5の改修点を見ていきましょう。
以下はOldTweetDeck3.6.5のダウンロードページに掲載されている情報をそのまま引用しています。
Kind of a beta release, currently don’t have a lot of time to work on it
- Maybe fixed adding people to Teams
- Maybe fixed replying to people being marked as spam
I’m currently in Ukraine and in a pretty bad situation, if you can, please donate. Thank you.
引用元：OldTweetDeck3.6.5のダウンロードページより
日本語訳したもの↓
この更新はベータ版のようなもので、現在はあまり時間がありません。
- チームへのメンバー追加を修正
- 返信がスパムとしてマークされることの修正
私は現在ウクライナにいて、かなり悪い状態にあります。もし可能であれば、寄付をお願いします。ありがとうございます。
引用元：OldTweetDeck3.6.5のダウンロードページより
今回はこれまでと異なり、更新情報以外のメッセージが添えられています。
まず修正点から整理していきます。
チームへのメンバー追加を修正
「チーム」とは、X利用者がパスワードを共有することなく、
一つのアカウントを複数人で共有できる共有機能のことです。
「Owner（アカウントの所有者）」は他のユーザーを招待し、
「Admin（アカウント管理者）」に任命する権限を持ちます。
OwnerとAdminは「Contributor（投稿者）」を任命する権限があり、
ContributorはOwnerのアカウントからポストやDMの送信が可能になります。
Xを個人で利用している分には扱うことが少ない機能のため、
「チーム」自体がそこまで認知されていないかもしれません。
筆者も利用したことが無く、詳細が掴めてないので申し訳ないですが、
恐らくOTD経由で「チーム」にメンバーを追加できなかった状態が修正されたと思われます。
返信がスパムとしてマークされることの修正
OTDからユーザーに返信（リプライ）を行うとX公式がスパムとして扱い、
返信が反映されない（返信されたことになっていない、返信が見えない）事態が起きていました。
場合によってはアカウントの停止、凍結までされたユーザーも居ました。
3.6.5でこの問題が解消され、OTDからの返信がスパム扱いされずに、正常に受け取れるよう修正がされた模様。
ただ「ベータ版」と記載されていた理由なのか、
3.6.5に更新しても問題が解消されないパターンもあるようです。
3.6.5の更新情報は以上になります。
開発者は現在ウクライナに在住しており、状況が著しく悪化している様子
今回更新情報の他に以下のメッセージが残されていました。
日本語訳したものを再度掲載します。
※直下のリンクをクリックするとdimden氏のサイトにあるパトロン（寄付）ページに移動します。
私は現在ウクライナにいて、かなり悪い状態にあります。もし可能であれば、寄付をお願いします。ありがとうございます。
引用元：OldTweetDeck3.6.5のダウンロードページより
OTDの開発を行っている「dimden氏」はウクライナ在住の人物とのこと。
ここ最近（2024年の6月末ごろ）から彼のポストには、
「常に恐れながら生きなくてはならない」
「戦争に生きる私達のことを忘れないで」
「平和が恋しい」
という深刻な内容が含まれるようになりました。
ポストの訳：今日から、私は常に命の危険を感じながら生きていかなければならない。いろいろなことを制限しなければならなくなり、私の人生はさらに惨めなものになるだろう。これが冗談であってほしいが、そうではない。
全ては法律の間違いのせいなのだから…。
戦争の中で生きている私たちのことを忘れないでください
多くの方がご存じの通り、現在ウクライナはロシアと戦火を交えている最中です。
このポストから察するに、その影響が間近まで来ているのでは…？と受け取れます。
これまでのdimden氏のポストには、OTDの更新情報や日常的な内容が比較的多く見られました。
しかし最近は、不安定な状況に置かれている旨のポストが明らかに増えています。
迅速すぎるほどの速さで修正を繰り返してきたOTDですが、
このメッセージを信じるなら、今後は更新に遅れが出るか最悪更新されない可能性は否定できません。
またこのような強い危惧を示すメッセージを更新情報と同時に出すのは恐らく初めてです。
それだけ「かなり悪い状況」であることが予想できます。
dimden氏とOTDに対して私達にできることは少ないかもしれません。
しかし寄付という形で、少しずつでも支援を行うことができることを覚えておきましょう。
どうか彼の無事を祈ります。
OTD使用中に気になった現象：ホームカラムの表示が遅くなった
話は個人的なものに変わりますが、7月頭くらいからOTDで気になる現象が発生するようになりました。
それはホームカラムの取得にやや時間を要するようになったことです。
これまではOTDを開いたらホームカラムだけは即表示されていました。
それが数秒～数分待たないとタイムラインが表示されない状態になってしまったんです。
特に酷い状態だとカラム上に、
「No recent Tweets.（最近のツイートはありません。）
New Tweets will appear here.（新しいツイートはここに表示されます。）」
という表示がされ、ポストが正常に取得されるまで数分待つ羽目になります。
待てば正常にホームカラムが表示されます。
実際の表示がこちら↓
最初は「API制限か…」と思ったのですが、
それだと検索カラム同様に以前から待ち時間が発生していたはず。
となるとX公式は、OTDのホームカラムにも干渉する何らかの対応をしたのではないか思われます。
検索カラムはXでサブスクリプションを所有しない限り、OTDで使用を推奨されなくなりましたが、
この調子だとホームカラムも満足に使えなくなる可能性が高いのでは？と考えてしまいます。
今のところ同様の状態に陥っている、という話は自分以外ほぼ聞かないので、
もしかすると筆者の環境上で起こっているだけ…なのかもしれませんが。
ともあれこの現象については暫く様子見する必要がありそうです。
いいねはOTDでも取得できなくなり、修正も不可とのこと
「いいね非公開」はOTDでも修正不可と公式のREADMEに掲載されました。
非常に残念ですが、もうどうやってもいいね欄を閲覧することはできなさそうです。
OTDのREADMEはこちら↓
いいね非公開についての詳細は、
こちらの記事でもまとめているので宜しければご覧ください↓
まとめ：OldTweetDeckを使うリスクは更に高くなっている
これまでOTDは幾度と不安定になりながらも、開発者の尽力で何とか使用できている状態が続いています。
しかし開発者の身辺に起こっている事態も考えるとそろそろ限界が近い気がします。
検索カラムの使用非推奨、ホームカラムの取得の遅延、いいね欄閲覧不可。
何がどう転ぶか正直言って予測できない状態です。
OTDからの返信がスパム扱いされていた件も今回のアップデートで完全に解消されたわけではなさそうなので、
いずれにせよ油断できない状態が続く可能性は高いです。
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