現代において世界を牛耳る巨大IT企業群「GAFA」。
これは私達がよく知るGoogle、Amazon、Facebook、Appleのことを指しています。
ネット上で使われている数多くのシステムやサービスはこの4社が基盤となっていることが多いです。
そして近年それに次ぐ勢力である中国の大手IT企業群「BATH」が注目されており、デジタル市場に大きく影響を及ぼすと言われています。
当記事ではそんなBATHとは何か?を解説していきます。
中国の大手IT企業群「BATH」とは?
「BATH」とは、中国国内にある4大IT企業を指す略称です。
これらの企業はGAFAに対抗するために生まれた…というわけではなく、企業自体が持つ技術により独自に国内シェアを伸ばし各プラットフォームへの干渉を強めてきた実力派です。
ではこれら4企業はそれぞれ具体的にどのようなサービスを提供しているのか?続けて説明致します。
B…百度(バイドゥ)
創業者 | 李 彦宏(ロビン・リー) |
設立年 | 2000年 |
主なサービス | 検索エンジン、百科事典(百度百科)、動画配信サービス(愛奇芸)、AI事業 |
功績 | 中国国内の検索エンジンシェア率1位 |
公式リンク | https://www.baidu.com/ |
百度(バイドゥ)とは、中国国内向けの検索エンジンを提供している企業です。
中国では検閲による表現規制を理由にGoogleが撤退しており、実質中国で最も使われている検索エンジンとされています。
現在はAIや動画配信サービス等も手掛けており、多方面に向けて事業展開を行いユーザーの確保に力を入れている様子。
バイドゥ日本法人のBaidu Japanはきのこのアイコンで有名なキーボードアプリ「Simeji(シメジ)」を開発したことで有名です。
A…阿里巴巴集団(アリババ)
創業者 | 馬 雲(ジャック・マー) |
設立年 | 1999年 |
主なサービス | B2Bトレーディングプラットフォーム「Alibaba.com」、消費者向けショッピングサイト「AliExpress.com」 |
功績 | Alibaba.comの登録ユーザー数1400万人以上、アクセス数月間60億PV以上 |
公式リンク | https://www.alibaba.com/ |
阿里巴巴集団(アリババまたはアリババグループ)とは、B2Bトレーディングプラットフォームを主体に活動を行う企業です。
因みにB2B (Business-to-Business) とは企業間取引のことを言い、製造元(法人)と卸売(法人)間の取引です。A社が売るための商品を別のB社から仕入れる…というイメージ。
Alibaba.comはB2Bサイトの中でも世界最大級の規模を誇り、ユーザー数も年々増加傾向にあります。
一般消費者向けにECサイトAliExpress.com(中国版のAmazonのようなもの)も展開しておりオンラインマーケットの市場へ大きく進出してることがわかります。
また、創業者の馬 雲(ジャック・マー)氏は非常にカリスマ性のある人物としても知られており、彼についての書籍も出版されています。
T…騰訊(テンセント)
創業者 | 馬 化騰(ポニー・マー) |
設立年 | 1998年 |
主なサービス | WeChat(SNS事業)、ゲーム事業、AI事業 |
功績 | アジア時価総額ランキング1位獲得、世界5大企業入り(2017年時点) |
公式リンク | https://www.tencent.com/ |
騰訊(テンセント)とは、あらゆるネットワークサービスやゲーム事業、SNS開発に注力する中国最大手のIT企業です。
その実力は凄まじく、一時はあのFacebookを時価総額で上回るという偉業を成し遂げました。
WeChatという日本でいうラインに相当するアプリ開発、そして社内のゲーム部門「テンセントゲームズ」によるゲーム開発を主体に運営しています。
特にテンセントが大株主(運営会社の株の大半を保有する)またはテンセントの子会社が開発を受け持つゲームは有名なものが多いです。
代表的なゲームを挙げると
- PUBG
- League of Legends
- フォートナイト
- クラッシュ・ロワイヤル
など世界的な大ヒット作ばかりです。
このような実績から先に紹介したアリババと肩を並べる中国の2大企業と言われています。
H…華為技術(ファーウェイ)
創業者 | 任 正非 |
設立年 | 1987年 |
主なサービス | 通信機器、スマートフォン開発 |
功績 | 2019年スマートフォンの出荷台数シェア2位 |
公式リンク | https://www.huawei.com/jp/ |
華為技術(ファーウェイ) とは、スマートフォン開発を行う老舗メーカーです。
今回紹介する中では最も名前を聞いたことがある企業かと思います。
ファーウェイは2014年よりスマホ(SIMフリー)市場に参入し2015年にはApple、サムスン電子という大手メーカーと並ぶ企業に成長しました。
2019年にはAppleを追い抜き出荷台数シェア2位に躍り出るという快挙を遂げています。
スマホ業界ではそれまでAppleとサムスンの2強の状態が長く続いていたため、ファーウェイの登場は市場にとっては刺激的なものとなりました。
まとめ:技術大国として躍進を続ける中国IT企業「BATH」
BATHは今後確実にIT業界を担い、技術を世界に発信し続けていくでしょう。
一時的にでも時価総額をGAFAよりも上回った経験がある時点でその勢力はただならぬものだということもわかります。
もしかしたらGAFAという定石がBATHによって崩される日も近いかもしれません。
いずれにせよ中国のIT事情は注目していくべきです。
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