ネット上に投稿されている動画は今や誰もが見れる時代。
それこそ小さなお子様でもスマホやパソコンといったメディア媒体を使いこなし、いろんな動画を探すことでしょう。
しかしその中には子供に悪影響を及ぼす動画も存在します。
今回はそんな子供にとって不適切な動画を表す造語である「エルサゲート」を解説していきます。
エルサゲートとは?
エルサゲート(英: Elsagate)とは、子供にとって不適切なテーマを扱った動画や、それらがYouTubeやYouTube Kids等のプラットフォーム上で家族向けのコンテンツとして拡散されている状況を指す造語。
Wikipediaより引用
ディズニー映画「アナと雪の女王」に登場するキャラクター「エルサ」と英単語の「gate(スキャンダルなど不祥事に対して用いられる)」が組み合わさった造語。
問題になった当初はこのエルサが使われたアニメーション作品が多かったことからその後エルサゲートと呼ばれるようになったと言われています。
投稿される動画にはディズニーキャラクター以外にもアンパンマン、しまじろう、ワンワン、クレヨンしんちゃんなどいずれも小さな子供からの知名度が高く国民的なキャラクターが用いられている事が多いです。
引用には「子供にとって」不適切とされていますが、多くの場合大人に対しても良い印象を与える動画は少なく嫌悪感を催す内容がほとんどです。
エルサゲートに用いられる表現
エルサゲートの判定がなされる動画には以下のような表現を含んでいます。
- 暴力
- 流血
- 飲酒
- 排泄
- 窃盗
- 性的表現
- 犯罪行為
- グロテスク
- 汚い言葉を使う
など
どれも小さな子どもには見せたくない表現ということがわかります。
エルサゲートの内容
ショッキングな映像が多いため、ここで実際の動画を紹介するのは避けますが文字で簡単に説明すると…
こんな内容が多くを占めています。
また直接的な表現でなくとも、本来のキャラクターが絶対に取らないであろう行動を平気で取ったりと子供たちがキャラクターに抱くイメージと大きく異なる動作や表情をします。
エルサゲートが子供に与える影響
エルサゲートの動画を視聴すると多くの場合…
- 気持ち悪い
- 不気味
- 怖い
- 恐ろしい
- キャラクターのイメージと違う
と感じることでしょう。
フラッシュアニメやクレイアニメ(粘土等で造形)、キャラクターの人形のコマ撮りを用いてアニメ化が主となっており若干チープ(安っぽい)な作りなのが特徴的です。
更に不快感を覚える原因の一つとして、暴力等の逸脱表現以外にエルサゲート動画の作者による独特な画風やアニメーションによるキャラクターイメージの崩壊があります。
- キャラクターの等身が違う
- 目の大きさがおかしい
- 表情を変えず淡々と会話する
- 笑いながら暴力を振るう
など
アニメを見慣れている子供達であれば多少なりとも違和感を覚える要素が敷き詰められており、徐々に「何だこれ…」という感情になり不安感が増します。
大人が見れば誰かが勝手に作った非公式の動画ということは一発でわかりますが、小さな子供にとっては本来のキャラクターの新しいアニメだ!くらいの感覚で見てしまうことでしょう。
それを裏切られ衝撃的な映像によりトラウマを植え付けられ非常に大きな心の傷を残す恐れがあります。
最悪元のアニメを見たくなくなってしまう可能性もあるためエルサゲートはかなり悪質だと言えます。
エルサゲートの問題点
エルサゲートの問題点は言うまでも無く「小さな子供にとって不適切だから」なのですが、ネットに投稿される動画であるという観点から見ると更に問題が浮かび上がります。
子供がクリックしそうな可愛らしいサムネイル
内容がアウトでも動画制作者は再生数を稼ごうと魅力的なサムネイル(扉絵)を用意することが多いです。
- 色んなキャラが楽しそうに遊んでいるサムネイル
- 子供向け番組を思わせるサムネイル
- おもちゃやゲームを一緒に映したサムネイル
つまり表面上は健全で子供の為の動画として投稿してるように見えるのに、いざ再生してみるとおかしな内容となっている…という感じです。
普通の動画でもたまにありますよね。サムネイルと内容が噛み合わない作品です。
気軽に見れるプラットフォームに投稿されている
エルサゲート動画はYouTubeやYouTube Kidsをメインに投稿されています。その他ニコニコ動画などあらゆる動画投稿サイトに潜んでいる可能性も。
これらの共通点として「基本的に無料で利用可能」なプラットフォームである点が挙げられます。
現代においてこのような無料で使える動画サイトは子供達の楽しみの場の一つになっており、検索を駆使して様々な動画に出会うことでしょう。
しかし楽しい動画ばかりではありません。違法行為や迷惑系YouTuberと呼ばれる危険な動画を目にする機会もいくらでもあるということになります。
エルサゲートもその一つ。無料という気軽さの反面、危険とも隣り合わせということを忘れてはいけません。
親が気づきにくい
YouTubeには成人向けコンテンツを非表示にしたり視聴時間を制限できる機能が設けられています。
じゃあ親はそれをしておけば安心!…と思いますか?これ実は全く安心ではありません。
というのもエルサゲートは成人向けコンテンツ扱いでは無いことがほとんどで、あらゆる制限をすり抜けてくる可能性があるからです。
一般的に制限がかかりやすいエログロ表現も確かにありますが、アニメ特有の「柔らかめの表現」を盾になかなかフィルタリングするまでに至りません。
更に先に述べた「子供向けの可愛らしいサムネイル」で擬態してるため親が視聴履歴を見ただけでは判断が付かないこともあります。
結果として親は気づかずに子供がエルサゲートの視聴を続けてしまう…そんな事態も起こり得ます。
エルサゲートへの対策
最後にエルサゲートへの対策についてお話しします。
親は視聴履歴の動画を「再生」して確かめる
サムネイルによる擬態を疑い必ず動画を再生して内容を確かめてください。
内容が異常でももしかしたら子供はただただ面白い動画だと思っている可能性もあるので不適切であれば視聴を辞めさせる必要があります。
エルサゲートを見続けると動画の影響を受けて、無意識に動画内の出来事を真似することもあるので出来るだけ早めに気付く事が大切です。
動画サイトを利用させない
これは動画サイトという存在自体をまだ知らない時点に限られますが、そもそも利用をさせないという対処法です。
動画サイトを利用してる最中にこれをしてしまうとエルサゲートから保護する目的は達成されますが、同時にお子さんの趣味を一つ奪うことになるということも覚えておいてください。
今の時代においていつも使っていたスマホをただ取り上げる、アプリの利用を禁ずるという行為が逆にストレスを生むこともあるので親子でよく話し合いましょう。
エルサゲートについて説明する
「これはよくない動画である」ということを直接説明します。
その時とにかく見ちゃだめ!ではなくお子さんがしっかり納得できるような説明が必要です。
例えば「〇〇(キャラクター)がこんなことする?」「どうして〇〇が叩かれちゃったの?」というような動画のストーリーに沿った理由を考える時間を設けるのが一つのやり方です。
というのもエルサゲートの多くは理不尽な暴力や納得のいかない展開であるため、何かしら矛盾が生じる事が多いからです。
大変かもしれませんがお子さんに納得して視聴を辞めてもらうことが一番ではあります。
悪質動画「エルサゲート」の危険性:まとめ
エルサゲートは一見子供向けのアニメコンテンツに見えて中身はショッキングな内容で構成されている悪質な動画です。
しかし子供達はそれが何かわからず知らず知らずのうちに視聴してしまうという罠があります。
これまでエルサゲートという存在を知らなかったというお父さんお母さんは、お子さんの動画視聴状況に今一度気を配って頂ければと思います。
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