ユーザーが望むコンテンツを適切に提供するために行われるGoogleの検索基準(アルゴリズム)の大規模な見直し、通称「Googleアップデート(コアアップデート)」。
検索順位に大きく影響を及ぼすコアアップデートは過去何度も行われており、その都度ネット上では変動が起きています。
当記事ではそんな過去のアップデートでも特に有名なものについて解説していきます。
過去に実施された代表的な7つのアップデート
解説する代表的なアップデートは以下の7つです。
※実施年月は日本国内におけるもの。
- ベニスアップデート(2014年12月)
- モバイルフレンドリーアップデート(2015年4月)
- パンダアップデート(2015年7月)
- ペンギンアップデート(2016年9月)
- 健康アルゴリズムアップデート(2017年12月)
- スピードアップデート(2018年7月)
- BERTアップデート(2019年10月)
順番に説明していきます。
ベニスアップデート
2014年12月以降に実施されたベニスアップデート。
これは位置情報に基づき最適な検索結果を提供することを目的としたアップデートです。
例えば「カラオケ店」で調べた際今いる場所から最も近い店舗を表示するといったことが可能になりました。
以前は場所に関わらず不要な情報までもが検索結果に表示されていましたが、実施後はユーザーが居る場所毎に異なる情報を提供できるよう最適化されたというわけです。
「レストラン」や「動物園」といった店舗や場所に関連性があるワードは大きく影響を受けました。
モバイルフレンドリーアップデート
2015年4月以降に実施されたモバイルフレンドリーアップデート。
こちらはモバイル表示に最適化したページの掲載順位を引き上げるアルゴリズムの実装です。
このアップデートによりモバイル専用レイアウトがなされていない、スマホで見た際に画像サイズがモバイル用にリサイズされないようなページが大きく順位を落としました。
今でこそ私達は当然のようにモバイルフレンドリーページを見れることがほとんどですが、実施されるまではパソコンで見たページをそのまま表示しているサイトも多かったかもしれません。
スマートフォンユーザーが増加した時期であるからこそのアップデートだと言えますね。
パンダアップデート
2015年7月以降に実施されたパンダアップデート。有名なアップデートの中でも特に注目された存在です。
品質の低いページを検索上位に表示させないための検索アルゴリズムで、コピーコンテンツや内容が薄いコンテンツが特に影響を受けました。
コンテンツの良し悪しを分けたアップデートということもあり、順位変動の幅は非常に大きかったようです。
広告が多すぎるページや読者への利益が薄いサイトは総じて「低品質」であるため、それらを弾くことでユーザーに提供する情報の質が上昇したといえます。
ペンギンアップデート
2016年9月に行われたペンギンアップデート。パンダアップデートに並ぶ有名アップデートの一つです。
Googleのガイドラインに違反しているコンテンツの検索順位を落とす目的で施行されました。
具体的には「ブラックSEO」または「ブラックハットSEO」と呼ばれる検索順位を不正に上げる悪質なSEO対策が施されているページやスパムページを圏外に追いやりました。
>>ブラックハットSEOとは?悪質SEO対策を知る
パンダとの違いは対象が明確に違反コンテンツであることであり、低品質か高品質か問う前にタブーを犯しているページという部分です。
ペンギンアップデートによりひたすら検索順位を上げるためだけのSEO対策をしてきた違反コンテンツが減少したとも言われています。
健康アルゴリズムアップデート
2017年12月に実施された健康アルゴリズムアップデート。
「健康」「医療」「美容」等のページが強く影響を受けました。
このアップデート内容は健康関連のページの信憑性が確かなものかを判断するもので、信憑性が薄い健康サイトや曖昧な医療情報が掲載されたページは検索順位を大きく落とすことに。
逆に公式の医療情報や信憑性が十分高い医学等のページは順位が上昇し、多くの人の目に確信のある情報を提供できるようになりました。
YMYL(Your Money or Your Life)という生活や金銭に強く関連するキーワードが対象となっている可能性が高く、今後も厳しい精査の上で検索順位を決められていくのだと予想されています。
スピードアップデート
2018年7月に実施されたのがスピードアップデート。
名前の如く表示速度の速さを検索順位に反映するアルゴリズムです。
このアップデートでは「モバイル」における表示速度を掲載順位の基準とするとしました。因みにパソコンでの表示速度は2010年に順位付けの基準として既に盛り込まれています。
ユーザーが見た際、表示までに極端に時間がかかるページは不快感やストレスをもたらすため順位を下げることとしました。ただしこのアップデートによる影響は大きくありませんでした。
順位が下がったのはあくまで「極端に」遅いページのみ。普通に使えるレベルのページは変動がほぼ無かったようです。
しかしながらGoogleのガイドライン上では「高速なほどユーザーの満足度が高くなる」としているため、遅いよりも速いほうが良いという認識は今後も変わらないことでしょう。
因みにサイトの速度はPageSpeed Insights(Googleが提供する速度計測ページ)で調べることができます。
BERTアップデート
2019年10月に施行されたのがBERTアップデート。
BERTとはBidirectional Encoder Representations from Transformersの略で単純に訳すと「トランスフォーマーからの双方向によるエンコーダ表現」です。
このままだと意味不明だと思うのでよりわかりやすく言うと「人間の言語を把握できるAI(人工知能)によるページ内の文脈構成の判断、文章の理解」となります。
つまりはBERTアップデートとは、AIを利用した文脈や文章の判断により検索順位を変動させるアルゴリズムなのです。
それまで「単語(キーワード)」単位での判別だったものがBERTアップデートにより助詞や前置詞等が含まれる複雑な「文脈」「文章」として理解可能になったため、より人間が読んだときに近い感覚での判断ができるようになったというわけです。
AIは自ら学び発展する知能があるため、今後も進化を重ねて検索アルゴリズムに携わっていくと期待されています。
因みにBERTは「バート」と読みます。これはセサミストリートのキャラクター「バート」にちなんだ名称とのこと。
まとめ:過去のアップデートを学ぼう
以上が過去に行われた7つの主要アップデートについての解説でした。
アップデートはその言葉通りどんどん新しいものに更新されていきます。
今に至るまでにGoogleがどのような基準を設けていたかを知るのはウェブコンテンツを扱う方にとっては必要不可欠です。
変化に対応すべくGoogleアップデートに対するアンテナを高くしていきましょう。
コメント